私の働く施設の利用者さんが　５日で退所する。

９０のおじいさん・・・昔から、芸事が巧みで、この年で、端唄（はうた）
を歌う。

【端唄】
長唄(ながうた)などに対し、短い（＝端）俗謡。（室内で）三味線(しゃみせん)
を伴奏として歌う。

この施設を離れることは、１ヶ月前から決まっており、日に日に彼の気持ちは
ズドーンと落ちていくのが目に見えて、気の毒にさえ思えるくらいだった。
頭は良く、若い頃は、会社の役員までやっていた方。
でも、ジョークもいけてて、私とは楽しく、来所するたび、会話を
楽しんで、いろいろ教えていただいた、人生の大　大先輩！
でも、糖尿病のキャリアが長く、薬をしっかりと飲んで、注射も打たないと
いけない人。

最近、なかなか旨くその作業が回らなくなってきた・・・

彼は、一つの事をやり出すと、そっちが解決するまで、集中してしまう。
よって、食事の時間も、薬の時間もずれ込んでしまったりで、
身体には良くない状態が続くようになって来てしまった・・・
家族との話し合いの元に、ご本人とも一緒に、何ヶ所か施設を見学して
決めたGH（グループホーム）だ。

彼にとって私達の施設は、思い出がいっぱいありすぎて、居なくなるのは
とても寂しいと・・・
でも、決めた事だから・・・と・・・

今日は節分。
彼にとって、ここでの節分も最後となる。
思いっきり、楽しんで、歌が大好きな彼に、思う存分歌ってもらって、
みんなで楽しく歌って、そして、お別れの時・・・

「今日で、私は最後なので、今までありがとうございました┏○))ﾍﾟｺ」

「こちらこそ。いつも　お風呂、ありがとうね」

「元気で、頑張ってくださいね」

「そうだね。たまに遊びに来るからね。」

涙目になってしまった私を見て、
「だめだよ・・泣いちゃうから・・」

私は、涙がこぼれ落ちないうちに、後ろを振り向いて、施設を離れた。

あ・・・・書きながら、泣けちゃった・・・
寂しいよ～ヾ(泣´Д｀)ﾉｩｪ-----------------ﾝ… 

最後にもう一度、彼の背中、流してあげたかった・・・

最後まで読んでいただきありがとうございました┏○))ﾍﾟｺ